喘息の重症度によって、CTで観察できる気管支の数が異なる(AJRCCM誌より紹介)
Is Computed Tomography Airway Count Related to Asthma Severity and Airway Structure and Function?
喘息の重症度によって、CTで観察できる気管支の数が異なる

概要
理論的根拠:
喘息の患者では、X線コンピューター断層撮影(CT)において気道壁肥厚と気道閉塞の証拠が得られているが、CTで観察できる気管支の総数と喘息重症度との関係は不明でありる。
目的:
喘息においてCTでの合計気道数(TAC)を測定すること、喘息重症度、気道の形態、肺機能、および磁気共鳴画像(MRI)での換気との関係を評価すること。
方法:
試験参加者は、気管支拡張薬投与後の吸気CT、気管支拡張薬投与前および気管支拡張薬投与後の呼吸機能検査、および過分極³He MRI検査を受けた。 CTでのTACは、区域気管支樹内の気道数の合計として定量化され、気道壁面積の割合(WA%)と内腔面積が測定された。 MRIでの換気異常は、換気欠損率として定量化された。
測定値と主な結果:
評価した70人の参加者のうち、Global Initiative for Asthma (GINA)のステップ1〜3の喘息患者は15人、GINAステップ 4の患者が19人、GINA ステップ5が36人であった。 GINA 1〜3と比較して、GINA 4(P = 0.03)およびGINA 5(P = 0.045)でTACは有意に減少していた。終末気道の内腔閉塞は、参加者70人中5人(GINA 4が2人、 GINA 5が3人)に存在した。70人のうち69人において亜区域気管支がCTで見えない状態か欠落しており、欠落している亜区域支数で最も多い数は10であった。欠落している亜区域気管支が10以上の患者は、10未満の患者よりもWA%(P <0.0001)、内腔面積(P <0.0001)、および換気欠損領域の割合(P = 0.03)が悪かった。多変量モデルでは、TAC(標準化回帰係数= 0.50; P = 0.001)はFEV1(R² = 0.27; P = 0.003)を予測する独立因子であった。別のモデルでは、TAC(標準化回帰係数= -0.53; P <0.0001)は、気道WA%(R² = 0.32; P = 0.0001)を予測する独立因子であった。
結論:
TACは、喘息重症度が高い患者では有意に減少し、気道壁肥厚と換気障害に関連していた。軽症喘息よりも重症喘息において気道数が少ないということは、喘息における気道病変の理解が困難にとなる。臨床試験はwww.clinicaltrials.govに登録された(NCT02351141)。